ももたね漫画研究「しゅごキャラ!」(前編)

こんにちは。

PEACH-PIT先生が大好きすぎて

自分の名前にも拝借させていただいている

桃亀です。

 

自分の好きな作品などを

たびたび紹介してください

と言われる機会があり、

私はその度にPEACH-PIT先生の漫画を

紹介しているのですが、

何を推して紹介するのかが

上手くまとまらず

いつも読み返して、を

繰り返しているので

いっそここで自分の感じた事を

まとめてみようと

思い立ちました。

 

スピッツアルバム研究のような

個人的な解釈を含めて、

感想をつらつらまとめていきます。

 

 

今回の作品は

しゅごキャラ!

です。

 

しゅごキャラ!」は

2006年~2010年、講談社

少女漫画雑誌「なかよし」で

連載されていた漫画です。

 

2007年~2010年には

テレビ東京系にてテレビアニメ化もされ、

現在の高校生~20代前後の女性は

ドストライクなのでは

ないでしょうか。

 

ちなみに

私としゅごキャラ!の出会いは

アニメ放送が終了した2011年辺り。

 

当時小学生だった私は、

近所の100円ショップにて

しゅごキャラ!のアニメのイラストが

使用されたラクガキ帳か何かを見つけ、

その絵柄に一目ボレしました。

 

田舎の100均には

とっくに終了したアニメの文具が

普通に売られてるんですよ。

 

その後、たまたま本屋に行ったら、

一目ボレしたイラストとそのタイトルの

漫画を見つけました。

それが私とPEACH-PITの出会い

でもあります。

 

人生で初めて

自分のお金(おこづかい)で買った

漫画となりました。

 

キラキラした絵や画面、

女の子が変身する、

そしてドキドキの恋模様…

もうね、

JSホイホイ要素しかないですよね。

 

ドハマりしました。

 

これテレビ放送をリアルタイムで見てたら

絶対グッズとか買ってて

ヲタクの道まっしぐらでしたわ。

 

元々絵を描くのは好きでしたが、

この作品がきっかけで

こんなに綺麗で可愛い絵を

描けるようになりたい!

と思い、本格的に

(とは言ってもちゃんとはやってない)

イラストや漫画を描き始めました。

 

そういった意味でも、

いろいろなきっかけを与えてくれた

今でも大好きな作品です。

 

 

長くなりましたが、

ここからコミックスごとに

感想文をつらつら

書いていきたいと思います。

 

1巻


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記念すべき第1巻です。

 

後々の表紙絵も見てみると、

主人公あむちゃんの指の数が

その巻数を示しています。

これはある程度

長く続くと想定していないと出来ませんね、

確信犯ですね←

 

ちょうどその時期に

連載していた作品について、

作者のPEACH-PIT先生

(以下ももたね先生)は、

「最初からアニメ化を想定して

連載を始め、

原作の2、3話辺りで

アニメ化が決まったものもある」

何かで話されていた記憶があります。

 

絶対しゅごキャラの事でしょ。

 

それは置いといて。

 

クール&スパイシーと囁かれている

小学4年生の日奈森あむは、

本当は素直になりたいと願うと

翌朝、枕元に3つのたまごが現れ、

そこから《しゅごキャラ》が誕生して…

というストーリー。

 

1巻では主に、

あむちゃんはどんなキャラクターなのか

あむちゃんに関わる男の子の登場

そしてしゅごキャラとは

といった最初の説明

をまとめています。

 

第1~2話ではあむちゃん、ラン

2話ではミキ、そして3~4話ではスゥ

の登場とキャラの説明といった感じです。

 

しゅごキャラ

理想の自分ではあるものの、

元々自分の中にある

いわゆる才能を表しています。

 

と、するとあむちゃんは

少なくとも

運動、芸術、家庭科の才能を

元々持っている

という事になります。

その時点でぶっちゃけ

かなりええやんけとは思いますが。

 

さらにそれぞれのしゅごキャラの性格も

持ち主の元々の性格に反映されます。

 

あむちゃんの場合は、

ラン:明るくて素直、元気

ミキ:クール、惚れっぽい

スゥ:乙女、天然

 

私的には、

一人歩きしたイメージはミキ、

望んでいるのはラン、

さらに自覚はしていないけど本来はスゥ

という解釈です。

 

この解釈は1巻の

それぞれのストーリーを読んでいくと

なんとなく感じられました。

 

しゅごキャラ持ち同士は

その気配を察知する事が出来ると

後々判明しますが、

あむちゃんがしゅごキャラ持ちとなった事で

学園の憧れ、ガーディアンや

敵対しているイクトと出会います。

 

ぶっちゃけ第1話の

後半部分を読み返してみると、

工事中の深い穴に落ちたり、

電線が切れて落ちそうになったりと

無傷じゃ済まないだろ

レベルのアクションで

ちょっと衝撃でした。。

 

イクト初対面の小学生に対して

エロすぎないか…

とか

唯世絶対あむちゃんより軽いのに

よくお姫様抱っこできたな…とか

まぁツッコミどころはなくはないですが

それもひとまず置いといて。

 

最初はキャラ持ちな事も否定し、

ガーディアン入りも断っていたあむちゃん。

しかし4~5話で

無理矢理メンバー入りさせられるも、

訳を聞き、

どちらも割とあっさり受け入れます。

 

個人的には

《なりたい自分に○も×もあるのかな》

というあむちゃんの素朴な疑問が

なんか刺さりました。

 

第1巻では主にランを中心に

しゅごキャラによって

変わっていく世界、考え方が

描かれています。

 

2巻


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1巻ラストで

しゅごキャラとの変身、

キャラなりをした

その続きからです。

 

個人的には1巻が序章で、

1巻ラスト~2巻辺りから第1章が

スタートした、という感じがします。

 

2巻では、

外国に行ってしまう女の子や

バレエダンサーを目指す女の子の

こころのたまごを引き出して×をつける

一人の男…イースター関係者を追う、

という流れ。

 

2巻は稀に見る1話完結が多く、

個人的には読みやすいと感じました。

 

そして2巻では主にミキが活躍します。

 

1巻で活躍したランとはまた違い、

現実も冷静にしっかり教えていくミキ。

しゅごキャラがいる意味、

本当にそれでいいのかと諭すシーンが、

初登場時より多く見受けられます。

 

そしてキャラなり時には

まさかの力業。

 

うじうじすんなー!!

これまでの時間をムダとか簡単に言うな!!

 

はっきり言う感じもミキとのキャラなり

ならではだと感じられます。

 

理想の自分として願っていたのは

ランやスゥのような性格だったのかも

しれませんが、

一番素のあむちゃんの考え方を変えたのは

一番元に似ていた

ミキなのかもしれませんね。

 

そんな成長も見られる第2巻では

敵対しているイースターについての

描写も増えました。

 

敵だと認識しているイクトが

自分の持っている錠と

対になる鍵を所有していたり、

新担任として赴任してきた

二階堂先生が実は

イースターの人間であったり…など、

味方と敵という対立関係の中にも

イクトに少しずつ惹かれていってしまう…

という、なんとも

グラグラソワソワする展開が続きます。

 

イクトのまつげがエロすぎる。

男性の長いまつげを美しく表現できる

ももたね先生はもうさすがとしか

言いようがありませんね。

 

錠と鍵を合わせるシーンなんかもうね、

美しすぎるエロ漫画ですよ(??)

対象年齢小学生ですよね??と

聞きたくなるレベル。

 

第2巻では

しゅごキャラ

その能力の使い方を通じた

本人の考え方の変化と成長が

感じられます。

 

 

3巻


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前巻で

あむちゃんのしゅごキャラ3人が

イースターの人間、二階堂先生によって

奪われてしまい、

ガーディアン、イースター巻き込んで

奪還する、という流れの第3巻。

 

皆のこころのたまごに×を付けていた

二階堂先生の過去を追う事で、

こころのたまごに×がついた、

もしくは失ってしまった人側を

描いていきます。

 

人は誰しも理想の自分、なりたい自分を

宿していて

こころのたまごを所有していますが、

「本当になりたい」と強く願えば

しゅごキャラとして誕生し、

一方で「どうせなれない」と思う事で

×がついたり壊れてしまう

という仕組みだそうです。

 

こころのたまごと表現していますが、

人間の心というのは割と

たまごのように繊細で、

ちょっとした事でも

すぐに割れて粉々になってしまいます。

 

「壊れたたまごはもう二度と

元には戻らない」。

 

案外、一度傷つけられた心というのは

一生の傷として残り続けます。

 

私もツラい出来事は

トラウマとして心に傷が残り、

それが癒える事はないだろうと

感じる事はあるので凄く共感します。

 

メッセージ性としては

かなりヘビーな感じはしますが、

この3巻ではスゥが活躍する事によって

柔らかな、優しいメッセージとして

伝えているところはさすがです。

 

イクトの助けもあり、

二階堂先生からなんとか

ラン、ミキは奪還するも、

スゥだけは連れ去られてしまいます。

 

連れ去られた先では

家事好きのスゥが

二階堂先生の周りで

甲斐甲斐しく世話を焼きますが、

二階堂先生はスゥを改造して

目的の魔法のたまご、エンブリオへと

生まれ変わらせようと企みます。

 

そんな彼の計画を阻止しようと

彼を諭すのがスゥ。

計画中止になって絶望する二階堂先生に

 

「なりたい自分は

何度だって生まれ変わってくる」

 

と励ますのもまた

スゥなのです。

スゥマジで天使。

 

一度夢を諦めて

こころのたまごを壊してしまったり

なくしてしまっても、

いつからでもまた夢を持つ事ができるよ

またこころのたまごを持つ事ができるよ

という

素敵なメッセージも込められて、

第1章は終幕していきます。

 

4巻


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ここから第2章がスタートです。

 

出会いと別れの季節、春。

あむちゃんたちは6年生になりました。

あむちゃんに4つめのたまごが生まれ、

その一方でガーディアン内でも

空海の卒業、なでしこの留学と

一気に寂しいムードになります。

 

そんな中、転入生として

新たにガーディアンに入ってきた

りま、海里はなかなかの曲者で、

あむちゃんは親友との別れも引きずり

余計に上手く馴染めません。

 

さらに、せっかく理想の自分に

なりかけてきたのに、

今までの外キャラ(クール&スパイシー)

に憧れていてくれた

クラスメートからも

何か変わったとガッカリされてしまい、

あむちゃんはついに心が病み、

新たに生まれた4つめのたまごに

×がついてしまいました。

 

しかも偶然にも

×がついた4つめのたまごが

バツキャラとして孵化してしまい、

敵対しているイースターの歌唄の

しゅごキャラと交換するという形に。

 

いじっぱりで素直になれない、

本当は弱くて

でも優しい部分も持っている

という共通点から、

前代未聞のしゅごキャラ交換が

成り立った訳ですが、

これからどうやって

4つめのたまごを奪還していくのか

というところで終わります。

 

個人的には

第2章(4巻~6巻)あたりの絵柄が

可愛らしさと華やかさがあって

とても好きです。

 

 

5巻


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いろんな交流を通じて

ガーディアン新入りとも

打ち解けていく一方で、

イースター

ガーディアン内部を潰していこうと

動き出す第5巻。

 

唯世との買い物デート回は

個人的に神回だと思ってる。

 

彼氏でもないのに、

軽率に女の子に可愛いとか

言っちゃダメですよ、唯世くん

(オバサン目線。)

そしてからかってるのかマジなのか

半々で口説いてくるイクトも…

もどかしい!!!

 

さらにややちゃんが

赤ちゃんに憧れる背景や、

りまちゃんの本当のキャラを

隠し続ける理由なんかも

垣間見えるものの、

そんなに重くならず、

それぞれの成長もありながら

爽やかに読める感じがとても好きです。

 

いらない自分なんていない。

 

自分をゆっくり肯定していける

前向きで優しい巻となっています。

 

本題としては

あまり発展がないように見えますが、

私としては

重くならない話が好きなので

この5巻はかなりお気に入りです。

 

6巻


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前巻で唯世も洗脳されかけた、

イースターが仕組んだ、歌唄の音楽で

こころのたまごを引き出そうとする

CDを学園内に持ち込んで

バラまいていた犯人が、

姉がイースター所属で歌唄のマネージャー

という海里が浮上。

 

一度は敵対するものの、

海里の本当になりたい自分を説得し

再び味方にし、

最終的に歌唄との直接対決へと向かう

第6巻。

 

イースターのやり方や

あむちゃんとエルの説得により

少し決意がグラつき始める歌唄。

 

この巻では

海里だけでなく歌唄にも

本当になりたかった自分と今の姿は

合っているのか?

と投げ掛けています。

 

それはあむちゃん自身にも

返ってきます。

 

傷つく事を恐れて

自分の殻に閉じ籠ってしまうと

余計に自分が見えなくなってしまう、

曖昧な気持ちのままでは

覚悟が足りないと

バツがついたダイヤに責められた

あむちゃんの答えは…

 

負けをいっぱい

知っている人は

いっぱい輝けるはずだ。

信じてる。

あたしの中のかがやきを。

 

3巻でも記述したように、

強く願えば報われ、

諦めてしまうと壊れてしまう

繊細な心情とリンクします。

 

何度も失敗していく内に

本当は向いてないんじゃないか、

どうせ頑張ったってできっこない、

そんな気持ちが

心を壊していきます。

 

何度負けて悔しくても

きっとできるはず、

まだまだ強くなれる、

と信じていたら

いつか輝く時が来る、という

弱さを知っている人の

説得力のあるメッセージ性を

感じられます。

 

ダイヤは心の中の輝き、

エルは弱くても優しい心と

あむちゃんと歌唄に共通する

強さと弱さが

しゅごキャラ交換に繋がったというのも

納得できて

第2章が終幕していきます。

 

【1~6巻まとめ】

長くなりそうなので

半分で一旦切ります。

続きは後編にて。

 

とりあえず

序章、第1章、第2章と

分けて見てみましたが、

ここまでで共通しているのが、

自分の気持ち次第で

能力や才能を充分に輝かせる事も出来れば

壊す事もできる 

そんな心の繊細さでした。

 

自分にとっては

マイナスだと思っていた点も、

誰かにとっては

素敵な個性であったり、

素敵な能力であるかもしれない。

 

まずは

自分が自分の心を信じてあげよう、

自分自身を信じて肯定してあげよう、

前向きに考えさせられる作品です。

 

なりたい、理想の自分が

たくさんあっても、

それは全て自分自身だから

優柔不断と悩む必要もないし、

気持ちや感情が

不要なんて事はなく、

どんな気持ちも感情も能力も

ムダなものなんてないんだと

感じられました。

 

また全巻読んでの感想も

後程書きたいとは思いますが、

ももたね先生の作品は、

可愛いの中にもシビアを混ぜつつ

前向きに生きていけるような

メッセージを込めたものが

多いと感じます。

 

少し思い詰めて

心が疲れているなと

感じた時、

自分の中のこころのたまごを

見つめながら

ももたね先生の漫画を読むと

気持ちがスッと晴れやかになります。

 

繊細で可愛らしい絵柄にも

癒されて、

美しくカッコいい画面にも

惚れ惚れして、

読むと心が少し元気になる。

 

そんなももたね先生の作品を

私はどんどん推していきます

 

それではしゅごキャラ後編で

また。

 

以上、桃亀でした。