ももたね漫画研究「しゅごキャラ!」(後編)

こんにちは。

桃亀です。

 

前回

https://peachdraw18.hatenablog.com/entry/2019/05/05/093004

に引き続き、

PEACH-PIT先生の漫画作品

しゅごキャラ!」を読んでいきます。

 

 

7巻
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6巻までで第2章が終わり、

ここから第3章が始まります。

 

ついにイースターとイクト、

エンブリオなど

物語の主要ワードが飛び交います。

 

その前に。

海里が転校し、再びガーディアンの

Jチェアが空席に。

そこで前Jの空海も呼び出され

なでしこそっくりな男の子、

なぎひこを紹介されます。

 

実はなでしこは

なぎひこが女装した姿で、

家元の日本舞踊の修行のため

留学していた事が判明。

 

なぎひこは一時帰国した際に

唯世らに捕まり、

臨時でJチェアを務める事になってしまう。

そこで、

代々受け継がれるKとJの公約を

伝授してもらうが…

 

ドキッ 男だらけのガーディアン

 

これもなかなかの神回。

ぶっちゃけアニメ版は

そんなに見てこなかったけど、

この回は探し当てて

結構見返しました(変態)。

レッツ☆皆で女装!!

 

一方で。

なぜかあむちゃんの部屋に

転がり込んできたイクト。

どうやらイースターから逃げているようで

しばらく匿う事に。

 

しかし、そのタイミングで

唯世がイクトもいるあむちゃんの部屋で

愛の告白をしたり、

お風呂に入れようとしたところを

ママにバレたりと

だんだんこじれていきます。

 

あむちゃんに結構な信頼を

寄せていた唯世は、

イクトに告白を聞かれた事で

その信用を失い離れていき、

あむちゃんは

何もかもを失います。

 

正直、

このピリピリで

ただただ心がしんどくなる展開が

あまり好きではないというか、

やっぱり読んでて苦しくなるので

あんまりこの巻は得意ではないです。

 

最初の

レッツ☆皆で女装回が

いろいろアレ← なんで

そのあとの急落が凄すぎて

未だについていけません。メンタル的に。

 

なぎひこにも、あむちゃんにも

皆にも通じる事は、

ヘタな嘘はいつかバレて

全てを失ってしまうかもしれない

という教訓のような

ものかもしれません。

 

 

8巻


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前巻にて

信用を失ったあむちゃんは、

最初はパニクって

自分の事しか考えられない状況に

陥りますが、

周りの励ましや支えがあり、

イクトを助けようと向かいます。

 

心の奥にしまっていた

悲しさを追う事で

また前を向いていける、といった

流れでしょうか。

 

人を傷つける事で

自分の心も傷だらけになる。

苦しくなる。

 

その痛みを実感した事で

人に優しくなれる。

 

人に優しくする事は

ただ甘やかすという訳ではなく、

心に必要な栄養を注ぐという事。

 

相手のためを思っての行動の全てが

実は弱い自分を隠すための

中途半端な気持ちのものは、

いつかボロが出る。

 

深く傷つく事もある。

 

けれど、

ちゃんと相手を信頼して

自分も信じて、

失敗してもやり直せばいいんだよ、

という

たくさんのメッセージが

詰められています。

 

とりあえず…

相馬家の5兄弟見とこうか。←

 

そんなこんなで

再び前を向いたあむちゃんは

イースターに洗脳された

イクトを助けに向かいます。

 

足止めされても仲間を信じて

ひたすら前へ。

 

誰かに信用してもらうために

自分も誰かを信じると

考えを立て直せた

あむちゃんは素晴らしいと思います。

 

一方で

性別の型に囚われた

バスケ少女を助ける

なぎひこ&りま。

 

こちらも考えさせられます。

 

なぎひこは、

舞踊のセンスがありながらも

男性という事だけで

評価を落とされてしまうという

これまた性別に悩んでいたのです。

 

心と体の成長は大人になるにつれて

男女間の差はますます広がるが、

技と芸を磨き、心で補えばいいと

なぎひこは答えます。

 

思春期は性別にも

違和感を抱いたり不公平さを

感じやすい時期だと思いますが、

そういった悩みも

しゅごキャラ!では

向き合っています。

 

とりあえず

新旧Qは画面が良い。

 

9巻


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第1足止めを

なぎひこ&りまに託し

前に進んだガーディアン。

さっそく第2の足止めが。

 

なぎりまに倣い

託してもらいたいややと、

助っ人参戦する歌唄などにも

助けられ、

さらに前へ。

ツインテ妹s実は相性いいのでは??

 

進んだ先に

ようやくイクトを発見。

しかし、洗脳されているイクトは

自由が利かないまま

憎しみ合っている訳でもない

あむちゃんや唯世を傷つけます。

 

ここでも性別の話になります。

 

男の子は、

女の子よりも強いから、

弱い女の子を守るために

望まない戦いを

強いられる事がある。

 

じゃあ女の子は??

 

男の子が戦って、傷つけあうのなら。

女の子は、

それを全て受け入れて

抱き締めてあげよう。

それが女の子の戦い方だと

答えを出します。

 

悲しい記憶や傷は

なかなか消えないけれど、

その悲しみに立ち向かった時に

真実の愛が生まれる。

 

そう信じた時に

イクトの洗脳も溶け、

あむちゃんも

4人のしゅごキャラが合体した

キャラなりに成功しました。

 

そうした中、ついに

エンブリオが見つかり、

それを再び追っていく…

 

男の子だから、女の子だから、

それらしくして、

という風潮を

なくすとまではいかなくても、

その差でどちらかが

不利な状況になる時代は

いつ終わるのでしょうか…

 

10巻
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イースター

エンブリオを狙っていた理由は、

御前ことひかるくんの

こころのスキマを埋めるためだけ。

 

ひかるくんは

生まれてすぐに

トップに立つ人間に教育されるよう

厳しく育てられた結果、

愛情を知らずに

夢やなりたい自分といった

こころのたまごがない状態に

なっていたのです。

 

そこであむちゃんは、

これまでで感じた

傷つく事、悲しむ事、

そして信じる事の

大切さを

ひかるくんに諭し、

素直で綺麗な本当の気持ちを

取り戻します。

 

それでは聞いてください。

8巻後半からここまで一日の話。

 

いやだいぶ濃いですな。

次の日ガーディアン全員

学校休ませてあげてほしい←

 

それはそうと、ひかるくんが

本当の自分のこころのたまごを

取り戻して

第3章が終幕し、

再び平穏な日々が

戻るのかと思いきや。

 

イクトも

イースターとの誤解が解けたところで、

今度は

自分の父親を探しに

海外へ飛び立つと告白します。

 

最初、離れてしまうのを拒み

つい意地っ張りになってしまう

あむちゃん。

しかし旅立ちの日に

ちゃんと空港で、

お互いなりたい自分を

探そうと誓いあいます。

そしてイクトは…

 

さっそく外国スタイルな

大胆告白するイクトたまらんな、ええ。

私も観衆のモブになりてぇな。←

 

11巻


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実質的な最終巻。

というか最終章です。

 

前巻のラスト、

朝目覚めるといつも賑やかな

あむちゃんのしゅごキャラたちが

突然姿を消してしまっていたのです。

 

そこで、ダイヤだけが残り、

消えてしまった

ラン、ミキ、スゥを探す旅に

出る事になりました。

 

小学校の卒業も近づいて、

心も体も大人になっていく。

 

忘れてた昔の記憶。

しゅごキャラたちが生まれた経緯。

 

それを思い出した時、

未来のきらめきのカケラとして

再び帰ってくる。

そんな光の道を進みます。

 

要は、

どんな記憶も未来に繋がっている

って事ですかね。

 

それぞれ大人になっていったら

しゅごキャラは消えてしまう。

それは、

心が成長して

一人でも自立して生きていけると

認定された時。

 

海外に一人旅立ったイクトも

もうやっていけると確信し

ヨルも彼の中へと消えていきます。

このシーンマジで泣きました。

 

あむちゃんも、

まだまだ気持ちは曖昧だけど、

少しずつ大人に成長していってる。

 

大人になっていっても、

あの頃のキラキラした気持ちを

忘れないでいてくれたら、

たとえ見えなくなってしまっても

ずっと心の中で

輝き続けるんだよ、という

最後のダイヤのメッセージと

しゅごキャラに込められた

皆が持っている大事なもの、

それは

 

無限の可能性

 

である、という事に

気がついたところで

物語は終了します。

 

最後の怒濤の泣かせラッシュ…

マジで

や”め”て”く”ださ”い”…!!(号泣)

 

しゅごキャラ

皆の心の中にいるんだよという

綺麗な形で

まとめられます。

 

12巻


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ガチの最終巻です。

 

物語自体は11巻までで終わり、

連載時には

しゅごキャラ!アンコール」

という名の

続編として発表されました。

 

空海×歌唄〉

11巻で行われた

二階堂&マネージャーゆかりの

結婚サプライズの裏話的な。

 

イクトを引きずる歌唄を元気づけようと

マネージャーから頼まれ

ラーメン早食い勝負で盛り上がる二人。

 

そんな中、サプライズに駆り出され、

見事成功するも、

歌唄の中でまだイクトの存在が消えず、

空海とも喧嘩してしまいます。

 

しかしその一方で

空海も心の支えになっている事を

実感しだして…な話。

 

後半マジで

フゥーーーーー!!!!!

いいぞもっとやれーーーーー!!!!!

と私の中のモブがうるさい。

 

それくらいイチャイチャがたまらん。

 

〈なぎひこ×りま〉

りまの家庭では

両親の離婚が決まり、

落ち込んでしまう。

 

一方で進路に迷い、

躍りの稽古に身が入らないなぎひこも

気分転換のため

外に出ると、

たまたまボール化してる

りまと遭遇。

 

二人は植物園に行き、

桃の花で花見をする事に。

 

するとそこに迷子の男の子が。

急遽迷子の親探しに変更。

 

そこで困ったりまは

自分に贔屓してくれる

クラスの男子をパシリに使おうとするが…

という話。

 

りまは幼い頃、

ズバ抜けて可愛い事から

誘拐されかけた過去を持ち、

本当は家族で笑いあいたかったのに

可愛く見えてしまう事から

だんだん

笑えなくなってしまっていたのです。

 

その時の親の反応も、

離婚してしまう事も。

子供の自分には変える事ができなかった。

どうしよもない、

仕方がない事もあるけれど、

他人の物語は変えられなくても

自分だけの物語はいくらでも

変えられると慰めるなぎひこ。

そして…

 

もうなぁ…(バカデカいため息)

なんでこう、なんか…

なんでこんなに…尊いんだろう…

いやなぎひこクソイケメンすぎて無理。

推せる

なぎりま全力で推します←

 

〈やや×海里〉

姉の結婚云々で

再び聖夜小に戻ってきた海里。

なぜか来年編入するひかるくんに

学校案内をする事に…

 

しかし、その道中、

卒業生ガーディアンのためにと

一人でくす玉制作をするややに出会う。

 

くす玉に入れる中身に悩むややに

協力しようと海里とひかると

三人で街に出る事に。

 

街ブラしてると、

優賞商品に花束が貰える

親子参加型のイベントを発見し、

商品目当てで飛び入り参加する事に。

 

得意分野で決勝まで勝ち進むも

ややは活躍できず…??

 

最後まで先輩

(とはとても思えないけど…)を

立てる海里マジ後輩の鑑。

 

健気なややちゃんも、

駄々っ子で甘えん坊な

赤ちゃんキャラはどこへやら…な

成長ぶりで

オバサンは嬉しいよ。。←

 

この二人に果たしてラブはあるのか…

みたいなオチですが、

いやぁ、海里はあむちゃん好きだし

ややちゃんはなんか

海里じゃなさそうだし…

という感じでそこらへんは

ちょっと微妙ですね…

 

〈最終回〉

イクトとあむちゃんの

ウェディングなトビラが

華やかで美しく、

フィナーレにはふさわしいですな。

 

ももたね先生の作品の最終回には

白が使われる事が多いように

感じます。

 

ついに卒業式当日。

ややたちが頑張って作った

くす玉でお祝いし、

本音が言えたり言えなかったり…

 

そんな中、数日後に行われる

二階堂先生と歌唄のマネージャーゆかりの

結婚式に先立ち、

参加すると聞いたイクトを

街に探しにいくあむちゃん。

 

イクト大好きじゃんあむちゃん。。

あなた仮にも

唯世くんと付き合ってるのでは…??

だとしたら

かなり唯世くん心広いよね。

 

そこで、

思い出の遊園地に辿り着くも

取り壊しが始まっていて

終わってしまうんだ…と実感する

 

…とそこにふいに現れたイクト。

 

いつかここでイクトに言った

「終わりじゃなくて、

今日から始まりにしよう」

同じ場所で1年後に返されるの、

たまらんシチュエーションですね。

なんかロマンティック。

 

でも彼氏とまだしてないキスを

あなた2回も別の男と…

どちらも未遂だからまだいいのかな…??

 

そしてついに

結婚式当日。

 

華やかなムードの中、

唯世はイクトに誓います。

「いつかドロボウするのはぼくの方…」

 

…え、え??

付き合ってはないの…??か??

と若干混乱はしましたが、

強気な王様キャラ嫌いじゃないぞ。

 

そしてブーケトスのタイミングで

重大なカミングアウトを

さらっとするなぎひこ。

いやそこじゃないかなタイミング…

もっとこう…なかったのかな…

とは思いますが

まぁそこは…うん。

 

とにかく、

あむちゃんの名前の由来、

amに掛けて、

主語のI(自分)をなくさないでいれば、

きっとこの先も

どんな自分にでもなれる

とまとめるのは

おぉー!!と思いました。

 

なぎひこカミングアウトショックで

せっかく手にしたブーケを

再び投げてしまい、

あむちゃんは

イクトと唯世に支えられ、

最終回以降たまごに戻ったままだった

しゅごキャラたちが

再びたまごから飛び出して、

ブーケをキャッチ!!

なんだか可愛らしさと懐かしさと感動と

いろいろ感情が忙しい最終回でしたが

最後の1Pめちゃくちゃ好きです。

 

読後に

ありがとうございました!!!

とつい叫んでしまう。

そして

拍手喝采を贈りたいほど

素晴らしく綺麗に物語が終わっていき、

そこにも感動しました。

 

【まとめ】

前編に引き続き、

しゅごキャラ!」全12巻を

読んできました。

 

自分のこころに正直になって

自分を信じてあげたら

あなたの中の

こころのたまごも

きっと未来のカケラとなって

輝くよという

真っ直ぐなメッセージが

感じられる後編でした。

 

なりたい自分を

強く願って生まれたしゅごキャラは、

元々自分の中に確実にあるもので、

それは能力とか才能とかも含まれる

未来への無限の可能性を

表現したものでした。

 

自分をしっかり持って、

時に失敗してもやり直して

そうして前へ進んでいけば、

いつかは大人になっていく。

 

大人になったら

子供の頃に感じていた

純粋な気持ちを忘れがちだけど、

 

いつでも

夢や希望を持って

生きていけば

きっと未来は輝くものになる…

 

これは

そういう気持ちを忘れかけた

大人が読むべきでは…?と

全巻読んで改めて感じました。

 

私事ですが、

今年で20歳になります。

もう大人です。

 

しかし、未だに

大人になる実感が湧かないというか、

大人ってなんか嫌だなぁ

と感じています。

 

そんな時期に

またしゅごキャラを読んでいたら、

大人になるのも

そんなに怖くないかも

思えるようになりました。

 

大人になっても

成長する事に

ワクワクしていきたいと

思えます。

 

しゅごキャラ!

という作品は、

キラキラした画面、

変身、そしてイケメン…と

JSホイホイ要素満載なため、

大人になって読むのもちょっと…

と躊躇っていても、

 

いざ読んでみると、

それぞれ夢や希望を持って

目を輝かせていたあの頃に

返りつつも、

今からでもまた

夢や希望で

心を満たす事ができると

思わせてくれるような

気がするのです。

 

是非小学生だけでなく

少し心が疲れてしまったな、

生きてる意味って何だったっけ、

と感じている

現代の大人たちにも

今一度読んでもらいたい作品です。

 

語彙力がなくて

同じような事を

ダラダラ書いていきましたが。

 

とりあえず私は、

しゅごキャラ!」という

作品がなければ、

今頃絵も描いてないし

その他の素敵な作品にも

出会えてないしと

考えると、

私を形作った作品であると

間違いなく言えると

感じています。

 

そんなきっかけを

与えてくれた

しゅごキャラ!

という物語は、

私の中でも

心の宝物となっています。

 

その心の宝物を

忘れずに生きていき

私だけの物語で

私なりに輝いてみたいと

思いました。

 

 

以上、桃亀でした。