スピッツアルバム研究1「スピッツ」

こんにちは。桃亀改め、andです。

 

現在ほとんどのTwitterは桃亀として

やっていますが、音楽について

いろいろ言ったりしてるアカウントも

別にあり、そこではandという名前を

使っています。

 

名前の意味は特にありません。

 

2年ほど使用していませんでしたが、

最近復活させたので

よかったら覗いてみてください。

自由にしてます。

http://twitte.com/andmore9918

 

ファン歴は浅いですが、

毎日スピッツの音楽やメンバーの

ほのぼのとした会話などに

癒される日々です。

 

スピッツ

3月25日がメジャーデビュー日という事で、今年(2019年)でデビュー28年目

になります!!

おめでとうございます!!

 

と、いう訳で

とりあえず

初期のアルバムを聞いて

個人的な解釈や

ここがいいんだよ~!!

というのを

つらつら書いていこうかなと思います。

 

個人的な解釈、というのは、

スピッツの詞は一目見たら

支離滅裂というか、あんまり直接的な

メッセージ性というのは

感じにくいのですが、

それはあえて歌詞の世界観を固定せず、

聞いた人それぞれが世界観を思い描く事が

できるような仕組みになっているのです。

実際、私はこういうイメージなんだけどな、と思っていても

他人によってその解釈は様々で、

違う視点で見ると感じ方が変わるという

不思議な体験ができます。

 

と、いうわけで

ここでは私の個人的な解釈でまとめるので

そのイメージで聞いてみてもいいし、

違うんじゃないかという意見を持っても

もちろん構いません。

 

それでは本題に参ります。

 

スピッツ1987年に現在のメンバーで

結成し、ライブハウス等での活動を経て、

1991年3月25日、

1stシングルヒバリのこころ

1stアルバムスピッツをリリースし、

メジャーデビューしました。

詳しくはスピッツのオフィシャルサイトや

Wikipediaなどを見てください。

 

今回はそんな記念すべき1stアルバム

スピッツを聞いていきたいと思います。

 

スピッツ

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収録曲

  1. ニノウデの世界
  2. 海とピンク
  3. ビー玉
  4. 五千光年の夢
  5. 月に帰る
  6. テレビ
  7. タンポポ
  8. 死神の岬へ
  9. トンビ飛べなかった
  10. 夏の魔物
  11. うめぼし
  12. ヒバリのこころ

 

1.ニノウデの世界

1stアルバムの1曲目からニノウデですよ。

フェチ全開です。

スピッツはこういうバンドですって

名乗るにはかなりひねくれてるというか…

 

「二人でカギかけた小さな世界」

後にも結構出てくるテーマでもありますね。

最初からスピッツ

〈君と僕、二人だけの世界〉

という世界観が統一されてる気がします。

 

曲調はゴリゴリのロックというより、

ちょっとポップに寄ってる気がします。

柔らかいメロディに乗せているのが

こういったフェチだとか意地悪な感じの

歌詞、というギャップが

心地良い違和感を生み、癖になる

というのがスピッツの仕組みなのかな

と感じます。

 

2.海とピンク

これもまたポップでノリの良い

メロディです。

ライブで聞いたらたぶん楽しいヤツ。

 

ピンクのまんまるって何なんだろうとか

考えるのがまた楽しい。

キラキラ楽しい世界かと思ったら

毒入りケーキとか出てきちゃう。

そんなひねくれたスピッツ大好きです←

 

ここでの「」は実際の海というより

いやらしい例えになるけど

ベッドなのかなぁ、と想像しました。

「かたくなる身体をよせ合って」たり

「あくび」をしたくなる場所、といえば…

 

初期にはこういった、

フェチエロ

何かに比喩した表現が

多く見受けられます。

 

3.ビー玉

いきなり「お前の最期を見てやる」ですよ。

怖すぎません??

ここでのビー玉は、

命、魂

という感じでしょうか。

 

「どうせパチンとひび割れて」というくらい

命なんか儚いもので、

簡単に消えてしまうんだろうなぁ…

と呑気なメロディに合わせて

ぼんやり考えてるのでしょうか。

 

…と思いきや。

 

2番の歌詞から、自覚しているように

狂ってます。

 

「空色のナイフを手に取って

真っ赤な血の海を飛び越えて来たんだよ

 

いや、殺しとるやんけ。

1番のように、

命なんか簡単に消えてしまうのだから、

ちょっと傷つけただけでもはじけてしまう

という意味なのか。。

 

これをゴリゴリのロック調で歌っている

ならば、まだ尖ってるな~という感じで

受け入れられなくもないですが、

スピッツはまた

ハーモニカなんか合わせちゃって

謡曲というかまぁ呑気なメロディに乗せて

歌っちゃいます。

そこがより狂気を感じますね。

 

スピッツの初期の世界観は、

1、2曲目のようなフェチズム、エロの表現

もしくはこの曲のように命、死の表現

がとても多いです。

 

いつかの雑誌のインタビューで

作詞作曲をつとめるボーカルの

草野マサムネさんは

「(自分の曲の)
テーマはセックスと死」、
「セックスも死も
不思議なもので
ちゃんと理解できていない
ものなので、
いくらでも物語や曲が出来る」

…と語っています。

 

4.五千光年の夢

これすごく想像がつきにくかったです。

 

「歪んだ天国の外にいて」、とあるので

先程のように〈セックスか死〉と考えると

これは死のイメージで捉えていいのかも

しれません。

 

ちなみに、

光年とは、1年で光が進む距離

の事らしいです。

五千光年となると、夢のまた夢という

距離なんですかね。

 

曲のイメージとしては、

とりあえず想像(夢の中?)で

天国に行ってみたところ

思ったより寂しい世界だったよ、みたいな。

 

よく私たちが「天国」と例えているのは

〈夢のような幸せなところ〉

というイメージで言っていますが、

実際は

〈いやいや、そんなでもなくて

むしろ何もなくて寂しいところかも

しれないよ〉

という事なのかもしれません。

せめて、お弁当くらい持ってくれば

良かったなぁ

と感じるくらいに。

 

5.月に帰る

この曲の作曲は

ギターの三輪テツヤさんが担当しています。

テツヤさんが作曲する音は、

なんとなく落ち着いていて上品

というイメージがあります。

 

歌詞のイメージとしては

かぐや姫や織姫といった

日本古来のお姫さまの

しっとりとした恋という感じです。

 

一夜、どこかで静かに結ばれて

(いろいろな意味で)

夜が明ける前にまた帰ってしまうという

ロマンチックさも感じました。

 

6.テレビ

これも具体的なイメージが

つきにくかったです…

 

ボーカルのマサムネさんは

武蔵野美術大学卒業という事もあり、

「油絵もどき」の絵も

身近だったのでしょうか。

 

こういった芸術作品は

一見すると

どんな意味があるのか

よく分からないものって

多いですよね。

ここには「カボチャとナス」が

描かれています。

でも、そんな意味も

「いいや」と考えるのを放棄してます。

 

ちなみに私も現在、

デザイン系の専門学校に通っていて、

先生方が美大卒だったりするんですが、

作品のタイトルをつける時には

直接的な物の名前よりも

ちょっと詩的な言葉や文を添える事がある

と聞きました。

 

そんな

「不思議な名前」も「似合ってる」

ようです。

 

全体の世界観はよく分かりませんが、

ここでの「テレビ」は

「君が描いた油絵もどき」って事で、

それを世界で最後に見てるという解釈…

です。

 

7.タンポポ

タンポポというと

もっと春の訪れのような

暖かなイメージを持ちますが、

イントロからし

まだ寒いような印象でした。

 

ここの世界のタンポポ

一般的にイメージする

黄色い花が咲いている だとか

綿毛になって飛んでいる

というよりも、

まだ咲いていないタンポポ

という感じでしょうか。

 

花が咲いていないので

ただの雑草と捉えられ、

「ふんづけられて」しまったり。

 

ただ、皆が雑草と捉えて

見向きもしないタンポポにも

僕だけはずっと見ているよ、という

優しさも感じました。

 

8.死神の岬へ

こちらも

作曲はギターの三輪テツヤさんが

担当しています。

 

死神の岬へ行くには

随分ルンルンなリズムです。

本当にそういうの多いですね。

 

「愛と希望に満たされて

誰もかもすごく疲れた」二人は

「死神が遊ぶ岬」へ出掛けた、とあります。

 

そういう事から

この二人はたぶん

一緒に死に(自殺しに)行った

と想像できます。

 

死神が遊ぶ岬=死の舞台 という。

 

今までの人生は

「二人で積み上げて」きたんだから、

最後も「二人で壊した」。

 

岬というからには

海沿いの場所なんでしょうが、

昔の作家さんとかは

愛人と二人で入水自殺した

とかいう話がある気がします。

そういう感じでしょうか。

 

「日が昇る頃」に出掛けて、

朝日が出る頃に

「青白い素顔」となってしまう。

きっとそこで死んでしまったんですね。

 

最後の方では、いろいろな物を

「二人は見た」と言っています。

それは、二人で死んだ後

今までに二人が見てきた記憶のものなのか

はたまた死ぬ間際に見た走馬灯のような

ものなのかは分かりませんが、

見たと挙げられているものは

「朽ち果てた廃屋」だったり

「歳老いたノラ犬」だったり

あまりいいイメージではないのも

気になります。

 

この世界で生きるには疲れたから

一緒に死のうねという曲でした。

ただ、それは絶望というものではなく

二人が望んでする事なんだよ、楽しみだね

という意味合いも込めて

こんなルンルンなメロディに

この歌詞をつけたのかな、とも感じました。

これまた狂気な。

 

9.トンビ飛べなかった

スピッツの歌詞にはよく

虫や鳥、動物が出てきます。

今回はトンビです。

結構デカイ鳥。

そんな立派なトンビが「飛べなかった」

もうタイトルからしてひねくれてます。

 

ここの世界では

〈君〉がどこかに行ってしまったようです。

僕の送信機が壊れているだけ、

まだ君は枕の下(すぐそば)に

隠れているだけと

信じている部分があるのでしょう。

 

いなくなってしまい

つぶされかかって

やっと君の

「優しい声もアザだらけ」であったと

気づいた〈僕〉。

彼女はいつも優しかったけれど、

本当は傷ついていたんだと。

 

「そんな気がしたけどまた同じ景色」

気付いたところで彼女は帰ってきません。

 

大切な彼女がいなくなってしまうなら、

大事にしてた「正義のしるし」なんて

もういらない」と言います。

 

そんな「ふやけた別れのうた」が

まさにこの曲なんだと思いました。

 

トンビ飛べなかった

は、

いつも大きな体で飛んでいるトンビでさえ

飛べない事もあるという意味で、

何に対しても絶対なんかない

というメッセージのようにも感じました。

 

どうでもいいですが、

最初の「寂しい夜 大安売り」を

ずっと「寂しい夜をおやすみ」と

間違えて覚えてました。

大安売り…

でも「今日も見えなかった」は

絶対「今日も会えなかった」って言ってる。

(言ってない)

 

10.夏の魔物

後に2ndシングルとしてリリースされる

曲です。

 

この曲は既に様々な説が挙がっています。

夏の魔物」とは胎児を比喩していて

望まない妊娠をしてしまったカップルの話

だとか、

いやいや「夏の魔物」と言ったらでしょ

とか。

そんな風に、いろんなイメージで

聞いてみると

それによって想像できる世界が

全く違うというのもまた面白いです。

 

私の中で浮かぶ情景は、

ショートフィルムのような画質で

映された

小さな古いアパートに同棲してる

冴えない男女の夏、という感じです。

そのイメージだと、自然に

夏の魔物=胎児 説になってしまいますね…

 

まぁ解釈は人それぞれなんでね。

(急にざっくり)

 

個人的にはこの曲は

低音(ベース)の音がいいなと感じました。

また、ギターの音も

小川の小さな水の流れを想像できるような

美しさを持っていて

より情景を具体的に

思い浮かべやすくなっているな、と

感じました。

 

11.うめぼし

スピッツの曲の中でも1、2を争う迷曲

まぁ迷曲=名曲ですから。

 

「うめぼしたべたい」→「君に会いたい」

お、おう…

 

この曲は なんとなく

自分の見ている世界

(学校のクラス内とか)で、

自分だけが除け者にされてしまったので

味方してくれる君に会いたいなぁと

ぼんやり考えている、

というイメージです。

 

だけど、理由は分かりませんが

すぐには会えない状態なんだと思います。

 

なので、とりあえず

うめぼし=酸っぱいもの で

モヤモヤした口の中と気持ちを

スッキリさせようと考えたのでしょう。

だから「うめぼしたべたい」。

 

そうして、うめぼしを食べる事で

一時的にスッキリはするかもしれませんが

やっぱりまだどこかモヤモヤしている。

 

だからやっぱり

「今すぐ君に会いたい」と思う訳です。

 

そうやって捉えると、

一見 支離滅裂なこの曲も

なんとなく共感できるかもしれません。

 

アコースティックなメロディが

より切なさを演出しています。

 

12.ヒバリのこころ


スピッツ / ヒバリのこころ - YouTube

 

アルバム最後の曲にして、

同時リリースされた1stシングルでもある

この曲。

そんな大事なポジションに

いるという事は、

スピッツにとっても

大事な1曲なんでしょう。

 

実際、

全体的にここからスタートだ

君と僕、二人手を繋いで歩いていこうという

意思のようなものが感じられます。

 

冬も終わり、僕らは春を迎えて

少しの不安を抱えつつも

君が微笑んで、僕が抱き締めている。

だから大丈夫だ、

僕らこれから強く生きていこう

と誓いあいます。

 

実際に、スピッツのデビュー日

つまりこの曲がリリースされた

3月25日は

ちょうど冬の寒さも緩和され、

ようやく春だな~と思える暖かさが

感じられる時期だと思います。

そういったタイミングとも

ピッタリ合っています。

 

ただ、すごく前向きかと言われたら

そうではなく、

やっぱり不安も抱えているのが

スピッツらしいなあと感じます。

 

一人の力は小さくても

君と二人ならば

頑張っていける気がする

そんなメッセージも込められていると

感じられました。

 

 

 

ちなみに、全曲を通してですが、

スピッツの歌詞に出てくる「君」は

ただ一人を指しているそうです。

おそらく聞いてくれているあなたに対して。

 

ライブのMCでもたびたび

あなたのために歌っている」と

言ってくれます。

惚れてまうやろーーー!!!

 

そんな訳で、この曲も

今聞いてくれている君と僕(スピッツ)で

頑張っていこうね、と

言ってくれているようにも感じられます。

 

その結果が今年で28年目ですよ。

ファンを大切にしてくれる

スピッツだからこそ、

ファンからもずっと愛されているんだなぁと

感じました。

 

まとめ

以上で、1stアルバム「スピッツ」を

聞き終わりました。

 

全体として

スピッツはこういう曲を作っていきますよ

よろしくね、といった

自己紹介的なアルバムだと思いました。

 

ポップだったりアコースティックな雰囲気で

エロや死を歌う、ちょっとひねくれたバンド

ですよ、という。

 

ただ、世間一般のスピッツのイメージとは

だいぶかけ離れていると思うので、

そのイメージのままスピッツの入門として

このアルバムを聞くのは

正直あまりおすすめできません

 

とりあえずスピッツの曲を聞いてみて、

「あれ、このバンド、爽やかそうに見えて

実はひねくれてるんじゃね??」

と気付き、

その不思議な感覚にハマってきた

と感じた方に

ぜひおすすめしたいアルバムです。

 

最近誰かが気付かれたように、

ジャケットも

ヒトデの交尾を連想させるくらいです。

相当ひねくれてます。

 

そんな不思議でマニアックな

スピッツワールドが堪能できる

1stアルバム「スピッツ」、

ぜひデビュー日に合わせて

聞いてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

以上、桃亀改めandでした。